本記事では-平均という,相加・相乗・調和平均を一般化した概念を紹介します.また,その性質から有名な相加・相乗・調和平均の関係式が導かれることを確かめます.
-平均の定義とその例
定義
定義 1
に対し,をと定める.これが well-defined となるとき, を ( 次の) -平均という.
この記事では詳細を省きますが,scale free と呼ばれる次の性質:をみたす関数 は アファイン変換(定数をかける,または足すこと)による違いを除いて または に限られることが知られています.そこで,-関数と呼ばれるものを次のように定めます.
定義 2
に対し, をと定め,これを -関数とよぶ.
この -関数を用いて,-平均は次のように定義されます.
これで表題の -平均を定義することができました.次に具体例を見てみましょう.
具体例
のとき
のとき
のとき
となり,上から順に相加平均・相乗平均・調和平均となることが分かります.
-平均の性質
-平均に関して次のことが成り立ちます.
証明
を任意に取る.とおくと,と書けるのでこれが に関して単調増加連続関数であることを示せば良い.まず連続性を示す. での連続性を示せば十分である.だが,ここでロピタルの定理より右辺はとなる.従って が分かり,連続性が示せた.次に単調増加性を示す.と定め, をいえばよい.計算によりとなるが, の凸性とJensenの不等式から括弧内は非負であることが分かる.よってがいえ,単調増加性が示せた.□
この定理と上でみた つの例から「調和平均 相乗平均 相加平均」という有名な関係式が従います.また,証明中でJensenの不等式の等号成立条件を考えることで,これらの平均が等しくなる必要十分条件が であることも分かります.